
痛い、長時間歩けないなど、外反母趾が悪化すると日常生活に支障が出るようになります。
そうならないよう、症状が進んでいない早期のうちに対策を始めることが大切。
軽症であれば、手術をしないで治せる可能性があります。
外反母趾の治し方で、保存療法と呼ばれるものをご紹介します。
●外反母趾を治したいと思っている方は意外と多い!
足の親指が変形する外反母趾、つま先の細い靴、ヒールの高い靴が原因とされていますよね。
症状がそれほど進んでいなければ痛みもなく、日常生活で困ることもありません。
しかし、外反母趾を放置しておくと悪化し、大変なことになることをご存じですか?
外反母趾はそのままにしておくと変形が進み、痛みや生活する上で不便なことが出るようになります。最悪なケースでは歩けなくなることも。
ただの足の指の変形だと軽く考えていると、取り返しのつかないことになるので注意が必要です。
海外では家の中でも靴を履いたまま過ごしますが、日本の生活習慣では玄関で靴は脱ぎますよね。
そのため日本人は外反母趾になりにくいとされてきました。
しかし、ライフスタイルの変化によって、靴を履いている時間も昔よりは長くなってきています。
また、若い世代を中心に、ファッション重視で苦痛を我慢して合わない靴を履く人もいますよね。
こういったことをはじめとする様々な理由により、外反母趾に悩む人は増えている傾向にあります。
外反母趾を治したいと思っている人も、たくさんいます。
●外反母趾の治し方~保存療法~
外反母趾は、どうすれば治すことができるのでしょうか?
1つの方法は、手術です。
骨を切る、「骨切り(こつきり)」と呼ばれる手術をして、変形した骨を正常な状態医に戻します。骨切りは足の親指付け根の骨を切り、正常な形になる位置でつなぎ合わせる手術方法。
骨がつくまでに4~6週間かかり、この間は松葉杖をついたり、かかとで歩いたりする必要がある、大変な手術になります。
手術方法には、遠位骨切り術・近位骨切り術・水平骨切り術の3種類があり、軽症から中等症の場合は遠位骨切り術、中等症から重症の場合は近位骨切り術か水平骨切り術のどちらかの手術方法が用いられます。
もう1つの外反母趾の施術方法が、保存療法です。
保存療法は、軽症から中等症の外反母趾を対象に、主に痛みを軽減したり変形の進行を防いだりすることを目的に行われる方法。
初期の軽い変形については矯正できる場合もありますが、重症化してしまった外反母趾の対策には向いていません。
保存療法には装具療法と運動療法、靴指導の3つがあります。
それぞれの療法を、詳しくご説明しますね。
●装具療法
装具療法は、装具を装用することによって外反母趾を施術する方法です。
親指に直接着けて真っ直ぐに固定するトースプレッダーや、靴底に敷いて親指に無理な力がかかるのを防ぐ足底挿板を用いて、進行を予防します。
装具療法は痛み軽減に高い効果を発揮し、とくに親指を固定するトースプレッダーは歩く際の苦痛を緩和する目的でよく用いられます。
変形を矯正する効果はあまり期待できませんが、ごく軽度の変形は矯正の実績があります。
●運動療法・足指の体操・ストレッチ
運動療法は両足の親指に輪ゴムを1本引っ掛け、伸ばしたり縮めたりする運動を行う方法です。
筋肉をつけることで骨にかかる負担を軽減し、変形を防ぎます。
また、足指の体操・ストレッチも、外反母趾改善が期待できます。
足の指でじゃんけんのグー・チョキ・パーをするのが、足指の体操。
足の指を曲げたり伸ばしたり指の間を開いたり閉じたりすることで、輪ゴムでの運動療法と同じように筋肉をつけることができます。
ストレッチで伸ばすだけでも、外反母趾の進行を防ぐ効果が期待できます。
●靴の指導
外反母趾になる原因として、つま先の細い靴やヒールの高い靴があります。
よく知られている通り、このような靴は足に大きな負担をかけ、変形を生じさせます。
さらに変形させないようにするためにも、つま先の細い靴やヒールの高い靴を履かないようにすることが大切。
外反母趾の進行を防ぐために行われる対策が、靴の指導です。
つま先が細くなく、ヒールも低い靴を履くことが、外反母趾の悪化防止につながります。
靴の中で指が動かせるよう、つま先に1~1.5㎝のゆとりがある靴が理想的です。
足が前方へと滑っていかないように固定できると、より安定して足にかかる負担を軽減することができます。
靴紐やストラップ付きの靴を選ぶようにしましょう。滑り止めにインソールの使用もおすすめです。
●まとめ:外反母趾の治し方のひとつである保存療法について徹底解説!
外反母趾は放置しておくと変形が進み、痛みや日常生活に支障が出るようになってしまいます。長時間歩けなくなったり、最悪では少しの歩行もできなくなったりすることも。
軽症のうちなら手術をせず、装具療法、運動療法、靴指導といった保存療法で治せる可能性があります。
早めに施術を開始し、外反母趾改善を目指しましょう。