
足の親指が途中の関節から人差し指に向かって曲がってしまう外反母趾。
ただ変形しているだけ、と放置している人もいますが、本当に放っておいても大丈夫なのでしょうか?
外反母趾はそのままにしておいて平気なのか、症状には親指の曲がり以外にどのようなものがあるのかをご説明します。
症状緩和の方法についてもお伝えするので変形が気になる方、痛みや歩行のしにくさを感じている方は参考にして試してみて下さいね。
●外反母趾の症状について
親指は手足ともに、他の指よりも体の内側にありますよね。
足の親指が外側、人差し指などの方へ向かって曲がってしまうのが、外反母趾の症状です。
ハイヒールが原因とされていることで、知られているのではないでしょうか?
つま先の尖ったデザインの靴、かかとの高い靴が足に大きな負担をかけ、親指を「く」の字に変形させます。
外反母趾になっても最初はわずかな変形であるため、それほど気に留めない人もいます。
しかし進行が進むと、かなり大きく曲がっていってしまうのが外反母趾の恐ろしいところ。
重度になると前の方向に向かうはずの足の親指が、途中の関節から人差し指の方向に40度以上も曲がってしまいます。
また、変形が進むと痛みや歩きにくさを感じるようになることにも、気をつける必要があります。
ただの足の親指の変形とタカをくくっていると、大変なことになってしまうかも知れませんよ。
●外反母趾の症状は男性よりも女性の方が多い?
外反母趾は男性よりも、女性の方が発症しやすいことが特徴的です。
仕事でヒールのある靴を履かなければならなかったり、おしゃれのために見た目を重視して窮屈さや歩きにくさを感じるような靴でも履いたりすることが、女性の方が外反母趾になりやすい原因。
つま先の尖った靴は足指に大きな負担をかけ、とくに外反母趾を引き起こす元凶とされています。
靴の形通りに親指が曲がり、長時間その状態が維持されることによって靴を脱いでも元の足の形に戻らなくなってしまいます。
またハイヒールも外反母趾の症状を招きやすい靴です。
かかとが高いと本来は足の裏全体にかかる力をつま先に集中させ、足を変形させます。
このような靴を履くことが必須の仕事の女性、好んで履いてしまう女性は、外反母趾になるリスクが高いことを気にしておく必要があります。
●外反母趾の症状が進行してしまうと・・・?
何の対処もせずに外反母趾をそのまま放置しておくと、症状が進行して親指の曲がりが大きくなります。
医療機関は「外反母趾診療ガイドライン」に沿って治療にあたっていますが、ガイドラインでは重症度は3段階に分類されています。
正常な場合の足の親指の曲がりが9~15度であるのに対し、20度までが軽症、20度以上40度未満が中等度、40度以上が重度。
正常値の上限である15度は、時計で言えば針が12時と、12時と1時の中間を指したときにできる角度ですよね。
40度は12時と、1時を少し過ぎたあたりを指してできる角度です。
違いがわかりにくいのですが、実際にはかなり曲がってしまうことになります。
親指の変形に加えて生活に直接影響を及ぼすものとして現れるようになるのが、痛みと歩行のしにくさです。
痛み、あるいは歩行のしにくさの程度は個人差があり、症状が進行しても現れない人もいる反面、軽症でも強く出る場合があります。
強い痛みや顕著な歩きにくさがあると、日常生活が制限されたり仕事に支障を来すようになったりします。
また、痛みや歩行の問題がないからと言って放置しておくと、症状をますます進行させてしまうことになるので要注意。
重度になると治療もそれだけ難しくなるので、十分に気をつけなければなりません。
●外反母趾の症状に合わせて内反小趾を合併してしまうことも
外反母趾は足の親指が人差し指の方向派と曲がってしまう症状ですが、合わせて小指の変形を引き起こすことがあります。
足の小指が薬指の方向へと曲がっていく、内反小趾と呼ばれる変形です。
内反小趾は単独で起こることもある変形ですが、外反母趾といっしょに起こることが多い変形。
外反母趾と同じように痛みや歩きにくさが現れる可能性があります。
また、扁平足や開張足も外反母趾の症状に合わせて起こりやすい、足の変形。
扁平足は土踏まずがなく、立つと足の裏全体が接地してしまう足のことですよね。
先天性以外に後天性の扁平足があり、外反母趾にともなう症状として扁平足になることがあります。
扁平足が縦アーチの潰れであるのに対し、横アーチが潰れてしまうのが開張足。
足の裏を横断するようにある指の付け根部分のアーチがなくなってしまう症状で、扁平足と同じように立つと足の裏全体が接地するようになります。
外反母趾になると、さらに足の裏にタコやマメ、魚の目ができる場合もあります。
外反母趾が原因で足に大きな負担がかかることから引き起こされる症状で、見た目の問題だけでなく激しい痛みを生じる点にも注意しなければなりません。
●外反母趾の症状を緩和させることはできないの?
進行が進んでしまった外反母趾に対しては手術による治療が行われますが、軽度や中程度のうちであれば保存療法で治すことも可能です。
保存療法は専用の装具を着けたり、履く靴の指導を受けたり、足の指の運動をしたりする治療です。
整形外科などで診断後に治療を受けることになります。
軽症の外反母趾は、足への負担を軽減することで症状の緩和が図れる場合もあります。
靴はつま先に余裕のある、かかとの低いものを選びましょう。
また、足の指と指をくっつけたり離したりする動きは、外反母趾を改善へと導く運動です。
ぜひ、やってみて下さいね。
●まとめ:外反母趾の症状について解説!進行が進むとどうなってしまう?
足の親指が人差し指に向かって曲がってしまう外反母趾。
放置すると内反小趾、偏平足、開張足といった症状をも合わせて引き起こします。
痛みや歩行のしにくさで生活に支障が出ることも。
そうならないためには軽症のうちに症状の緩和を試みて、進行を防ぐことが大切です。
足に負担をかけない靴選びや足の指の運動をして、外反母趾改善を図りましょう。