外反母趾がズキズキ痛む…もしかして外反母趾の進行期~終末期かも?

外反母趾
外反母趾がズキズキ痛む…もしかして外反母趾の進行期~終末期かも?
鏡味 拡樹

ブログ著者:鏡味 拡樹

名古屋で外反母趾専門院を運営。柔道整復師の国家資格やフットケアの専門資格を保持する足の専門家。

 

 

外反母趾とは、足の親指が人差し指の方へ「くの字」に曲がってしまう状態のこと。

進行すると、親指の曲がりやつけ根の突出などの変形がさらに進み、痛みを伴うようになります。

「歩くたびに、つけ根の飛び出した部分が靴にあたってズキズキと痛む…」「足の裏にできたタコが痛くて歩きづらい…」「靴を履いていなくても痛くてしびれもある…」

こんな症状に悩まされているとしたら、外反母趾がかなり進行している可能性が考えられます。

今回は、外反母趾の痛みについて解説します。

外反母趾で生じる痛みの特徴と原因、痛みが出たらどこで施術を受けたらよいか、覚えておきたい痛みの対処法などくわしくご紹介します。

●外反母趾が痛い!とお悩みの方は多い

外反母趾は、進行度合いによって4つの段階に分けられます。

【可逆期】親指が多少曲がっているものの、力を入れれば元に戻せる状態

【拘縮期】親指の曲がりが戻らなくなった状態で、つけ根も少し飛び出している状態

【進行期】親指の曲がりの角度がさらに大きくなり、つけ根の突出部もかなり目立つ状態

【終末期】親指が人差し指の下に入り込み、つけ根の関節が脱臼した状態

このうち、初期の可逆期の頃はそれほど痛みがありませんが、拘縮期あたりから、痛みを訴える人が増えてきます。

外反母趾の痛みが最も起こりやすいのが、親指のつけ根の飛び出した部分です。
この部分が靴にこすれて、歩くたびに足がズキズキ痛むようになります。

靴による圧迫や摩擦の刺激で、突出部にバニオン(滑液包炎)が生じ、赤く腫れて痛みが生じることも多いのです。

症状が進むと、靴を履いていないときでも痛みが出ることもあります。

また、外反母趾が進行すると親指で蹴りだすことができなくなるため、指のつけ根に負担がかかるようになり、タコができて痛みが起こります。

●女性はハイヒール、男性は合わない靴での運動で痛みが起こる

外反母趾で痛みが起こる原因の大半は、靴にあります。

親指のつけ根の飛び出した部分が、靴にこすれることで痛みが起こるのです。

つけ根が飛び出している分だけ通常より足幅が広くなるため、これまで普通に履いていた靴でもこすれて痛みが出ます。

これがハイヒールとなると、足の負担はさらに大きくなります。
ハイヒールは靴の先が細くなったデザインが多く、足指やつけ根の部分が常にギュッと圧迫された状態になります。

また、ヒールが高いと足がすべって爪先の方に重心がかかり、足のつけ根付近で体重を支えなければいけなくなるのです。

そのため、外反母趾の女性がハイヒールを履くと痛みやバニオンが生じやすく、症状を悪化させるおそれがあります。

男性は、合わない靴が痛みの原因となっている場合が多いようです。靴は小さすぎても大きすぎても、足のトラブルをまねきやすくなります。

とくに大きすぎるサイズの靴を履くと、歩行や運動の際に靴の中で足が動いてしまい、足指やつけ根に大きな負担がかかります。

男性の場合、ヒールの高さは問題になりませんが、足幅に合わない細身のデザインのせいで、足が圧迫されて痛みが起こることもあるので注意しましょう。

●外反母趾が痛い時はどこで施術を受けるべき?

それでは、外反母趾が痛いときはどこで診てもらえばよいのでしょうか?

外反母趾の施術を受けられる主な選択肢として、次の3つがあります。

■整形外科
病院に行く場合は、整形外科で施術を受けられます。
保存療法と手術療法があります。

■接骨院
「柔道整復師」の有資格者が施術を行います。
薬やレントゲン、手術などは行いません。

■外反母趾専門院
外反母趾に特化した専門院です。

専門院によって内容が異なりますが、骨格調整・テーピング法・歩行指導・機能訓練指導などを行います。

●外反母趾の痛みを解消したい時は靴を変えることを真っ先に行おう

外反母趾の痛みの多くは、歩行時の靴による圧迫や摩擦が原因となっています。

痛みを軽減・解消するためには、靴を変えることをおすすめします。

ここで、靴選びのポイントをご紹介しましょう。

1.かかとと甲まわりはジャストサイズに!
かかとや甲まわりはピッタリサイズの靴を選びましょう。

この部分が大きすぎると靴の中で足が動いてしまい、安定感が低下して正しい歩き方ができなくなります。

かかとをしっかりサポートし、紐やマジックテープで調節できる靴が理想です。

2.トゥは余裕が必要
トゥは足指が動かしやすいように、1~1.5㎝ほどの余裕を持たせます。
先の細い靴は避け、足指が圧迫されにくいスクエアトゥなどを選びましょう。

また、外反母趾には靴の先端が中心線より内側寄りのデザインがおすすめです。

3.ヒールは低めで太め
ヒールが高い靴は外反母趾を悪化させる原因になるのでできるだけ避け、3~5㎝くらいまでの靴を選びましょう。

安定感のある太めのヒールが最適です。

4.アーチサポートインソールもおすすめ
外反母趾になると、足裏のアーチが崩れている人が多く見られます。

足裏アーチが崩れると、足指がうまく使えず、足指のつけ根とかかとの2点で体重を支えなければなりません。

歩行時の衝撃もこの2点に集中するため、外反母趾を悪化させることにつながります。
アーチサポートインソールを敷くと、足裏アーチを補正し、痛みや疲れを軽減してくれます。

●外反母趾が痛い時の対処法について

外反母趾が痛い!そんなときは、次のような対処法を試してみてください。

■外反母趾用サポーターの利用
これは、痛みを軽減・緩和する効果が期待できます。

突き出た部分をカバーして靴との摩擦を防いでくれるタイプもあるので、利用してみるのも一つの手です。

ただし、効果を感じられるかどうかは、症状や進行度合いによっても違ってきます。

また、痛みが治まったとしても外反母趾が改善したわけではないので、放置せずにきちんと対策を行うようにしてくださいね。

■患部を冷やす
バニオンが生じたり、赤く腫れて熱を持っていたりするときは、炎症を起こしているため氷嚢などで患部を冷やします。

あまり長時間冷やさないように気を付けましょう。

■施術を受ける
上記の2つの方法は、あくまでも応急処置でしかありません。
その場はしのげたとしても、外反母趾自体がよくなったわけではないのです。
外反母趾が痛いときは、我慢しないで早めに専門家に相談しましょう。

●外反母趾で足が痛くなる前に早期の改善を

外反母趾は進行性なので、放っておくと症状が悪化していく疾患です。

そのため進行するほど改善は難しくなり、改善に要する時間も長くなるのが一般的です。

既に痛みが出ているということは、ある程度症状が進んでいる状態なのですよね。

進行度合いにもよりますが、痛みや変形のせいで歩行困難になるなど日常生活に支障をきたす可能性も十分に考えられます。

ですから、そこまで行ってしまう前に適切な対策を行うことが大切なのです。

「もしかして外反母趾かも…」と思ったときは、次の改善法がおすすめ!

1.足に合った靴を選ぶ

2.正しい歩き方を覚える
正しい歩き方のコツは、かかとから着地し、足の裏から指のつけ根へと重心を移動し、親指で蹴りだすこと。

足指をしっかり使って歩くように心がけましょう。

3.足指を鍛える
足指を使えるようにストレッチで鍛えましょう。

・フェイスタオルを敷いてその上に立ち、足指を使ってタオルを引き寄せる
・足指で「グーチョキパー」をする

4.専門家に相談する
痛みもなく変形もそれほど進んでいない初期は、病院や専門院に行く必要性をあまり感じないかもしれません。

実際に、病院や専門院に行くのは「痛くて我慢できない」、「変形がひどく靴が履けない」など、外反母趾がかなり進行してからの場合が圧倒的に多いのです。

しかしそれでは改善にも時間がかかり、通院回数もそれだけ増えてしまいます。

ですから、おかしいなと思った時点で専門院などに相談した方がよいのです。

初期のうちに専門家に診てもらうことで、外反母趾をまねく原因や自分の歩き方の癖、骨格の特徴などを教えてもらえます。

また、日常生活における注意点を知ることで、進行の抑制も可能になるでしょう。
早めに専門家に相談することが、外反母趾改善の鍵です。

●まとめ:外反母趾がズキズキ痛む…もしかして外反母趾の進行期~終末期かも?

外反母趾は進行性なので、何もせずに放置しておくと痛みが生じたり、変形が酷くなったりと症状が悪化していきます。

親指のつけ根や足裏にできたタコが痛くなったときは、それ以上の進行を抑えるためにも早急に対処する必要があります。

足に負担をかけない靴選びや、歩き方の見直し、足指を鍛えるストレッチなど、外反母趾の改善に努めましょう。

一番の改善策は、痛くなる前に専門家に相談することです。

外反母趾の初期なら、改善までそれほど時間もかからず進行も抑えられます。辛い痛みに悩まされないためにも、早めに施術を受けるようにしましょう。

この記事を書いた人

鏡味 拡樹

「名古屋外反母趾フットケア専門院」院長|柔道整復師(国家資格)

鏡味 拡樹

フットケアの専門資格であるJapan therapist Diplomaを保持し、運営する外反母趾の専門院は元Jリーグトレーナーや同業者も推薦。
再発防止にも目を向けた、根本からの外反母趾対策を行っている。

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