
ヒールのある靴を履き続けることによって外反母趾になると、よく耳にしますよね。その説は本当なのでしょうか?
またヒールの何が原因となって、外反母趾が引き起こされるのでしょうか?
外反母趾がヒールの靴とどう関係しているのかを解説します。
外反母趾の方がヒールの靴を履く際の注意点も一緒にご紹介しますね。
●ヒールは外反母趾の原因になりやすい?
外反母趾は足の親指が、人差し指に向かって曲がってしまう症状。
変形だけではなく、痛んだり歩きにくくなったりという症状も起こります。
正常であれば、9~15度の範囲でしか曲がっていないはずの足の親指が、外反母趾になると20度、あるいは30度という角度で曲がってしまいます。
進行して重度になると40度以上の角度で曲がってしまったり、歩けなくなったりするので要注意。
ただの足親指の変形だと思わず、進行しないように気をつけなければなりません。
外反母趾になる原因として、一番にあげられるのがヒール。
かかとの高いヒールは、外反母趾を引き起こすことで有名です。
ヒールを履くと、どうして足親指が変形する外反母趾になってしまうのでしょうか?
その理由は、ヒールの靴はかかとの低い靴より、足に大きな負担をかけるからだとされています。
まず、ヒールの靴は中で足が前方向に滑っていきやすく、つま先に相当な力がかかります。
また安定感を欠くことから、転ばないようにするための踏ん張る力も必要になることも負担が大きくなる理由のひとつ。
裸足であれば、足の裏全体で体を支えることができますよね。
かかとの低い靴も似たような状態で立ったり歩いたりすることができますが、ヒールでは足の裏全体で体を支えるわけにはいきません。
つま先立ちをしている状態になり、足には大きな負担がかかります。
さらに、ヒールの靴はつま先が尖っていたり、全体的に細身だったり、ピンヒールになっていたりするものが多いことも原因のひとつ。
履きやすさより見た目が重視されているデザインにより足への負担が増し、足親指に変形を生じさせるとされています。
●外反母趾で足が痛むのであればヒールを履くのはストップ!
ヒールが外反母趾の原因となることは、ご紹介した通り。
外反母趾になってからヒールを履き続けると、進行させてしまいます。
とくに痛みが生じているあいだは、ヒールは履かないようにしましょう。
外反母趾で痛みがあるのは炎症が起きているときで、このようなときは患部をできるだけ安静にしておく必要があります。
無理な動きをしたり、余計な力を加えたりすると炎症が激しくなり、静めるのが大変になるばかりか合併症も引き起こす危険があるので要注意。
外反母趾の場合は足にかかる負担をできるだけ軽減するよう、靴選びに注意したり長時間の歩行は控えたりしましょう。
●ハイヒールを履く際の注意点について
外反母趾の女性は痛みがある場合はもちろん、そうでない場合であってもハイヒールを履くことは良くありません。
足親指の変形がひどくなり、進行を進めて悪化させる恐れがあります。
しかし、結婚式への出席といった人付き合い、あるいは仕事などでハイヒールをどうしても履かなければならない場合もありますよね。
理由があってどうしてもハイヒールを履かなければならないときは、次のような点に気をつけましょう。
1.ハイヒールを履く時間はできるだけ短くする
ハイヒールは必要最低限の時間だけ履くようにして、できるだけ短時間の着用にしましょう。
長時間にわたって履いていると、それだけ足に負担をかけます。
結婚式や披露宴などの出席でハイヒールを履く必要がある場合には、式典や宴会の時間だけ着用し、行き帰りは他の靴を履くようにしましょう。
また、ハイヒールを履いているあいだは、できるだけ歩かないようにすることも大切です。
2.つま先が尖っていないものを選ぶ
つま先が細く尖ったデザインのハイヒールを履くと、指が窮屈に靴の中に押し込まれ、指同士がくっついたままになってしまいますよね。
立ったり歩いたりという動作に必要な力が入らず、足への負担が増して外反母趾にも良くありません。
できるだけ丸みのあるハイヒールを選んで、足先にゆとりを持たせましょう。
3.ヒール部分は太めのものを選ぶ
不安定なピンヒールは避け、安定感のあるハイヒールを選ぶようにしましょう。
グラグラしないよう、ヒール部分はできるだけ太いものがおすすめです。
4.足を靴に固定させる
ハイヒールは足が前に滑っていってしまうことでも、足への負担が大きくなっています。
つま先だけで体を支えることになり、立ったり歩いたり、姿勢を維持したりが困難になりますよね。
無理な力がかかるのを防ぐためには、足を靴にしっかりと動かないよう固定することが大切。中敷きなどを利用して、ハイヒールの中で足が前に滑っていくのを防ぎましょう。
クッション性の高いものは衝撃を吸収することでも負担軽減につながります。
また、足首と靴を固定するバンド・ストラップの利用もおすすめ。
かかとが脱げてしまいそうになることの防止にもなり、歩きやすくすることもできますよ。
5.ハイヒールの高さは5㎝までにする
さまざまな方法で足への負担を軽減しても、やはり外反母趾にとってハイヒールは良くありません。高くても5㎝までのハイヒールがベストです。
●ヒールによって起こってしまった外反母趾の対処方法について
ヒールが原因となってできた外反母趾は、ヒールを履くのをやめたり、足の指の運動をしたりすることで改善が図れる可能性があります。
かかとのある靴はやめて、ぺたんこの靴を履くようにしましょう。
つま先も靴の中で足の指が動かせる程度の余裕があるものがおすすめです。
グー・チョキ・パーをしたり、両足の親指にゴム紐を引っかけて伸ばしたりする動作が、足指の運動になります。
床に広げたタオルを足でくしゃくしゃにする動きも、効果的です。
●まとめ:ヒールは外反母趾を引き起こしやすい!?ヒールはなぜ外反母趾の原因となるのか?
かかとの高いヒールは、足に大きな負担をかけることで外反母趾を引き起こします。
また履きやすさよりも見た目重視のデザインとなっていることが多く、より足に無理をさせてしまうことも原因のひとつになっています。
外反母趾になってしまったらハイヒールは履かない方が無難です。とくに痛みがあるときは無理せず、低い靴を履きましょう。
どうしてもハイヒールを履く場合には短時間にする、歩かないようにするなど、十分に足の負担に配慮して下さいね。
つま先が細く尖っていないものや、ヒール部分が太い、といったデザインのハイヒールを選ぶことも忘れないで下さい。