外反母趾の原因は歩き方にあった?外反母趾になりやすい歩き方の特徴について

外反母趾
外反母趾の原因は歩き方にあった?外反母趾になりやすい歩き方の特徴について
鏡味 拡樹

ブログ著者:鏡味 拡樹

名古屋で外反母趾専門院を運営。柔道整復師の国家資格やフットケアの専門資格を保持する足の専門家。

 

 

外反母趾は女性に多く見られる足の疾患で、患者数は男性の10倍にも上ると言われています。

原因は、ハイヒールだと考えている方も少なくないと思いますが、それだけではありません。靴と並んで外反母趾に大きく影響しているのが、実は「歩き方」なのです。

どのような歩き方をしていると、外反母趾になりやすいのでしょうか?

今回は、外反母趾の原因となる歩き方の特徴と、外反母趾を予防する正しい歩き方について解説いたします。

●外反母趾になってしまう原因の一つに歩き方がある

人間は本来、しっかり足指を使って立ったり歩いたりするものです。

たとえば、立つときはかかとや足の裏だけでなく、足指にも体重が乗っているのが正しい立ち方です。

歩くときも同様に、かかと・足の裏(指のつけ根)・足指の3点を使うのが正しい歩き方なのです。

ところが、子供の頃からの生活習慣足によくない靴選びなどによって、足指や足アーチの筋力が低下したために、足指をうまく使えなくなっている人が増えています。

すると、足指を使わずに立ったり歩いたりすることがクセになり、いつの間にか定着してしまうのです。

何年も足指を使わずに歩いていると、親指のつけ根にかかる負担が蓄積していき、やがて外反母趾に発展しやすくなります。

外反母趾には、歩き方が大きく影響しているのです。

●足の指を使わずに歩く事で足の筋肉が衰えていく

足には「内側縦アーチ」、「外側縦アーチ」、「横アーチ」の3つのアーチがあります。

・「内側縦アーチ」足の内側にあるいわゆる「土踏まず」
・「外側縦アーチ」足の外側にあるアーチ
・「横アーチ」5本の足指のつけ根を結ぶアーチ

これらの3つの足アーチには、歩行時に足の裏にかかる衝撃を吸収・分散して負担を減らすという重要な役割があります

足アーチがしっかりしており、足指を使った正しい歩き方をしていれば、足のトラブルにつながる心配も少ないでしょう。

ところが最近では交通機関の発達により歩く機会が減ったことで、足アーチが下がってしまう人が増えてきています。

これは足アーチを作っている靭帯が緩んだり筋肉が落ちたりすることが原因です。

足アーチが崩れるとクッション機能が低下するため、歩行時の衝撃がもろに足裏にかかるようになります。

本来なら足指・足裏・かかとの3点で支えるはずが、足裏とかかとの2点だけで支えるようになるため、親指のつけ根にかかる負担が倍増してしまうのです。

さらに、横アーチが崩れると「開帳足」、内側縦アーチが崩れると「偏平足」になりやすく、これも外反母趾をまねく一因になっています。

また、足指を使わない歩き方がクセになっていると、足指の筋肉も次第に衰えていきます。

とくに女性は、男性よりも筋力が少ないため外反母趾になりやすいのですが、足の指を使わずに歩くことで、ますます足指や足アーチの筋肉が衰えてしまうのです。

このような足の筋肉の衰えが、外反母趾を引き起こす原因のひとつになっています。

●外反母趾の予防・改善にはどのような歩き方がいいのか?

まず、どのような歩き方が外反母趾になりやすいのかをご紹介しましょう。

■ペタペタ歩く
着地するとき、いきなり足裏全体をつけてペタペタと歩くのはNGです。
ペンギンのような歩き方というとわかりやすいかもしれませんね。

この歩き方では、足指には全く体重を乗せず、足の裏とかかとに体重を乗せているため、親指のつけ根にかなりの負担がかかっています。

サイズが大きめの靴や厚底サンダル、ゆったり目のスリッポンなどを履いていると、脱げないように無意識のうちに足の指が反りかえり、ペタペタと歩きがちなので注意しましょう。

■腰が反っている
胸を張り腰が反った姿勢で歩くと、足の指のつけ根に体重がかかってしまい外反母趾につながりやすくなります

■歩幅が狭い
一歩一歩の歩幅が狭く、ちょこちょこ歩く人も要注意!

歩幅が狭いときちんと重心の移動ができずに、足裏全体で着地したり、足をするような歩き方になってしまいます。

それでは、正しい歩き方をご紹介しましょう。

1.真っ直ぐ立つ

歩き始める前に、真っ直ぐに立ってみましょう。
横から見て耳・肩・くるぶしが直線状に並ぶように立ちます。

真っ直ぐかどうかわからないときは、壁に頭と肩甲骨、お尻、ふくらはぎ、かかとを付けて立つとよいでしょう。

2.最初の一歩を出す

1の状態から片足を前に出しますが、このとき膝を伸ばして前に出します。
腕は前に振るというよりも、後ろに引くことを意識すると自然に前に振ることができます。

3.かかとから着地する

足はかかとから着地し、足の外側(小指のつけ根)の方から親指のつけ根へと重心を移動させます。最後に親指でしっかり蹴りだします。

正しい歩き方のポイントは、着地から蹴りだしまでの重心移動にあります。

かかと→足の裏→親指のつけ根→親指とスムーズに重心を移動させることが大切です。
いきなり足裏全体をつけるのはNGですよ!

●まとめ:外反母趾の原因は歩き方にあった?外反母趾になりやすい歩き方の特徴について

外反母趾の原因は、ハイヒールなど足に合わない靴だけではなく歩き方にもあります。

足には3つの足アーチがありクッションの役割はたしていますが、足の指を使った正しい歩き方をしていないと、足アーチが崩れて外反母趾のリスクが上がってしまいます。

外反母趾になりやすい歩き方とは、足裏全部をつけて着地するペタペタ歩きや、腰が反っている、または歩幅が狭い歩き方です。

外反母趾を予防・改善するためには、かかとから着地して重心を前に移し、最後に親指で蹴りだす正しい歩き方をマスターしましょう。

スムーズな重心移動を意識しながら毎日歩いていれば、足に負担のかからないキレイな歩き方ができるようになりますよ。

この記事を書いた人

鏡味 拡樹

「名古屋外反母趾フットケア専門院」院長|柔道整復師(国家資格)

鏡味 拡樹

フットケアの専門資格であるJapan therapist Diplomaを保持し、運営する外反母趾の専門院は元Jリーグトレーナーや同業者も推薦。
再発防止にも目を向けた、根本からの外反母趾対策を行っている。

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