仮骨性外反母趾とは?外反母趾の種類について

外反母趾
仮骨性外反母趾とは?外反母趾の種類について
鏡味 拡樹

ブログ著者:鏡味 拡樹

名古屋で外反母趾専門院を運営。柔道整復師の国家資格やフットケアの専門資格を保持する足の専門家。

 

 

「つけ根だけポコッと飛び出しているけれど、これって外反母趾?」

親指はあまり曲がっていないのにつけ根の骨が出っ張っているのなら、「仮骨性外反母趾」かもしれません。

外反母趾とは親指が人差し指の方にくの字に曲がっていきそれに伴ってつけ根の骨が突き出してくる足の疾患です。

ところが仮骨性外反母趾では、親指はあまり曲がらないのが特徴です。
なぜ、つけ根の骨だけ出っ張ってくるのでしょうか?

今回は、仮骨性外反母趾とは何か仮骨性外反母趾の原因と改善法について詳しく解説いたします。

●仮骨性外反母趾とは?

外反母趾には5種類あり、その1つが「仮骨性外反母趾」です。

先に他の4つの外反母趾について、簡単に説明いたします。

【靭帯性外反母趾】
横アーチの靭帯の緩みが原因で、親指がくの字に曲がる

【混合性外反母趾】
靭帯性外反母趾と仮骨性外反母趾が合併したもの

【ハンマートゥ性外反母趾】
足先がハンマーのように縮こまったり上を向いたりする

【病変性外反母趾】
リウマチなどの病気が原因で発生する重度の外反母それでは、仮骨性外反母趾について解説しましょう。

仮骨性外反母趾の特徴は、親指のつけ根が出っ張っているのに、親指はほとんど曲がっていないところにあります。

通常、外反母趾では親指が人差し指の方へ曲がり、それに伴い親指のつけ根の骨が飛び出してきて、さらに進行するとつけ根の骨が亜脱臼を起こします

ところが、仮骨性外反母趾では親指の曲がりはほとんど見られません。

つけ根の骨が出っ張っているために一見すると曲がっているように見えますが、よく見ると親指は曲がっていないのです。

では、なぜ親指のつけ根が飛び出してくるのでしょうか?
それは、親指のつけ根に「仮骨(かこつ)」が形成されているからです。

その仮骨が次第に太く大きくなっていくために、外側に出っ張ってくるというわけです。
仮骨とは何か、以下で解説いたします。

●そもそも仮骨とは?

「仮骨」とは、本来は骨折したときに骨折部分を修復するためにできる仮の骨のことです。

仮骨ができたばかりの頃は柔らかいのですが、徐々にカルシウムが沈着して硬くなっていきます。

この仮骨が足の親指のつけ根のところに形成されることによって発症するのが、仮骨性外反母趾です。

仮骨性外反母趾の場合は、骨折ではなくその部分に衝撃がかかり続けることによって、その部分を守るために仮骨が形成されるのです。

●仮骨性外反母趾になってしまう原因とは?

仮骨性外反母趾の原因は、足の指を使わない歩き方にあります。

人が真っ直ぐ立つとき、足の指・指のつけ根・かかとの3点で体重を支えるのが、正しい立ち方です。

これは歩くときも同じで、かかとから着地したら指のつけ根へと重心を移動し、最後に親指で蹴り出して歩くというのが正しい歩き方なのです。

しかし、最近では大人から子供まで「浮き指」の人が増えています。
浮き指とは、足の指が浮いてしまい地面に接していない状態を言います。

浮き指になると、足の指が上がったまま立ったり歩いたりするため、指のつけ根とかかとの2点だけで体を支えることになります。

さらに、歩行時には指のつけ根ダイレクトに衝撃がかかるようになります。

浮き指の人が足裏の指のつけ根のあたりに、マメやたこができているケースが多いのもこのせいです。

足指が浮いた歩き方が癖になっていると、親指のつけ根は歩くたびに衝撃を受け続けてしまうわけです。

すると、指のつけ根を衝撃から守ろうとして、その部分にもっと太くて丈夫な骨を作ろうと働き「仮骨」が形成されます

この仮骨によって親指のつけ根が出っ張ってくるのが、仮骨性外反母趾なのです。

●どうすれば仮骨性外反母趾は改善できる?

仮骨性外反母趾を改善するために、まずは自分の足が浮き指かどうかをチェックしてみましょう。

浮き指のチェック法は2つあります。

●足の親指を甲側へ曲げてみて、90度以上曲がったら浮き指です。

●真っ直ぐ立ち、爪先の方から薄い紙を差し込んでみてすっと入るなら浮き指です。

子供の頃から靴下や靴を履いて足指を使わずに歩いているため、足指の筋肉が衰えたり退化したりするのが浮き指の原因だと言われています。

また、足に合わない靴も浮き指の一因。

小さすぎる靴を履くと足指が圧迫されてうまく動かせず、逆にサイズが大きいと靴の中で足が動いて足指で踏ん張れません。

また、かかとのないサンダルやミュール、大きめの靴を履いていると、脱げないように無意識のうちに指を上げてしまうことも…。

仮骨性外反母趾を改善するためには、浮き指にならないように靴と歩き方の見直しが必要です。

1.靴選び
足に合った靴とは、足指が動かせるように爪先に1~1.5㎝くらい余裕を持たせた靴です。

しっかりとかかとを支えられる作りで、甲の部分は靴ひもやマジックテープ、ベルトなどで調節できるものを選びましょう。

また、ソールが指のつけ根の部分で曲がるかどうかもチェックしてくださいね。

2.歩き方
正しい歩き方のポイントは、なめらかな重心移動にあります。
一歩目は膝が曲がらないように気を付けて、真っすぐに踏み出します。

かかとから着地したら足の裏、そして親指のつけ根へと重心を移動させます。
最後に親指でしっかり蹴り出します。

浮き指の人はかかとから着地せずに、いきなり足裏全体で着地することが多いので、注意してくださいね。

最後に、親指に重心をかけて地面を押し出しているか意識して歩きましょう。

3.足指を鍛える
足指をしっかり動かせるように鍛えることも大切。

簡単な鍛え方として、足指でグー・チョキ・パーをしてみる方法があります。
テレビを観ながらでもいいので、毎日指を動かしてみてくださいね。

●まとめ:仮骨性外反母趾とは?外反母趾の種類について

仮骨性外反母趾とは、足の指はほとんど曲がらず、親指のつけ根が出っ張っているタイプの外反母趾です。

足の指が上がる「浮き指」のせいで、歩行時の衝撃が指のつけ根にかかってしまうため、仮骨が形成されて発症します。

仮骨性外反母趾を改善するには、浮き指にならないように靴選びや歩き方を見直すことが重要。

足に合った靴を履き、かかとから足の裏、親指へと重心を移動させて正しく歩くようにしましょう。

まだ痛みがないという方も浮き指かどうかチェックしてみて、あてはまる場合は早めに改善し外反母趾の進行を予防してくださいね

この記事を書いた人

鏡味 拡樹

「名古屋外反母趾フットケア専門院」院長|柔道整復師(国家資格)

鏡味 拡樹

フットケアの専門資格であるJapan therapist Diplomaを保持し、運営する外反母趾の専門院は元Jリーグトレーナーや同業者も推薦。
再発防止にも目を向けた、根本からの外反母趾対策を行っている。

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