
「長時間歩くと足の裏が疲れる」「長く立っているとふくらはぎが疲れる」というような症状で困っていませんか?
そのような症状を感じているのであれば、扁平足(へんぺいそく)かもしれません。
土踏まずがつぶれてしまう扁平足が進行することで外反母趾(がいはんぼし)につながりやすく、骨が「く」の字に変形してしまい、痛みで歩くこともつらくなることもあります。
こちらでは、偏平足になってしまう原因や外反母趾と偏平足との関係について解説いたします。
●外反母趾と偏平足との関係について
アーチと呼ばれる土踏まずは内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチとよばれる三つのアーチから構成されていて、ドーム型のようなアーチを描いています。
アーチは骨と靭帯と筋肉の作用によって作られており、足裏で強固に張っている靭帯がアーチにかかる負荷から押しつぶれないように守ってくれています。
扁平足はかかと周りの関節群が崩れることで土踏まずが著しく低下し、足の裏が平らに近い状態になってしまうのです。
また、荷重するときにかかと周りの関節が過剰に動きすぎてしまい足の甲にある中足骨左右に広がって、外反母趾につながってしまう原因となります。
偏平足だからといって必ず外反母趾になるわけではないのですが、偏平足と外反母趾は密に関係があるのです。
●外反母趾とは?
足指を「パー」にするよう動かして、親指が外側に開きにくいようであれば外反母趾の可能性があります。
扁平足になると親指側に重心が移動するので、足の親指側の負担が増えて、親指を内側にねじる母趾内転筋(ぼしないてんきん)が硬くなって縮んでしまうのです。
外反母趾は、足の甲にある第1中足骨が広がり、親指が内側に閉じる作用がある母趾内転筋に引っ張られることで人差し指側に押し曲げられ、つけ根でねじれながら「くの字」に曲がってしまうのです。
親指の曲がりが進むと、親指が人差し指や中指の下に入り込んでしまい、人差し指や中指のつけ根の関節が脱臼してしまうこともあります。
●偏平足とは?
扁平足はくるぶしの斜め前下側にある「舟状骨」という骨が下に落ちて、アーチがつぶれてしまっている状態です。
足裏を下から支えて、足裏のアーチを保っている筋肉や、直接、舟状骨を支える筋肉などが弱くなると、舟状骨が下に落ちて土踏まずが押しつぶされて偏平足になってしまうのです。
アーチ構造は歩いて足が地面に接地するときに必要に応じて潰れて低くなり、足や足関節、膝関節、腰などにかかる地面からの衝撃を吸収して減らすクッションの役割をしてます。
扁平足になると捻挫などの怪我がしやすくなったり、長時間立ったり歩いたりすると疲れやすくなり、猫背になるなど様々な症状の原因になってしまうのです。
参考:https://style.nikkei.com/article/DGXNASFK1601K_W2A011C1000000?page=2
●偏平足になってしまう原因とは?
扁平足になる原因はひとつではなく、多くの要因が絡み合って生じます。
成長期の子どもにもおこる扁平足は、裸足で動き回るなど、足の指や足裏の筋肉を使う機会が足りないことが原因となっておこります。
大人になっても足の指を使わない歩き方や運動不足によって、土踏まずにあるアーチの筋力が弱くなってしまうと偏平足につながります。
肥満による体重増加によって足に体重の負荷がかかり過ぎてアーチが下がることも原因のひとつになります。
さらに、足に合わない靴などを履くことで体重が足にバランスよく乗らないことでもアーチが崩れてしまうのです。
● 外反母趾と偏平足の改善にはインソールを使用
扁平足や外反母趾の状態は、関節を動かす筋肉の力が低下して骨格をつないでいる靭帯が伸びてしまい、アーチが保てなくなって足部の骨格が崩れてしまっています。
足部の問題がある程度の状態にまで回復するまでの間は、足裏のアーチを支えるものがないと、足裏の治療を行ってもまた元の状態に戻ってしまいます。
中底の上に敷いて取り外せるインソールを使用することで、緩んだ靭帯をサポートして足底アーチを正しい位置で支えながら治療を進めることが大切なのです。
インソールの使用と並行して治療することで、より短い期間での回復を促すことが期待できます。
アーチ構造をつくる足裏の筋肉を鍛えることで自分の筋力がアーチをつくれるようになるのです。
参考:
https://www.barefootscience.jp/%E5%95%86%E5%93%81%E7%B4%B9%E4%BB%8B/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%AE%E5%BF%85%E8%A6%81%E6%80%A7%E3%81%A8%E3%81%AF/
●まとめ:外反母趾と扁平足とは?外反母趾と偏平足との関係は?偏平足になってしまう原因についても解説!
アーチが崩れて低くなってしまう偏平足は、外反母趾と密に関係があります。
偏平足は生まれつきの素養が関係していますが、足の指を使わない、運動不足など偏平足にしてしまう足の悪い使い方が原因で、外反母趾につながってしまうのです。
筋肉が弱くなって足の形が崩れてくると、骨格をつないでいる靭帯が伸びてしまうので、インソールを上手く活用しながら、治療をすすめることも一つの方法です。
偏平足で外反母趾かも?と思ったら、早めに足裏の筋肉を鍛えて疲れやすさや痛みを予防しましょう。