
親指のつけ根が赤くなり、歩くたびにズキズキする…。
外反母趾が悪化して炎症が起こると、痛くて辛いですよね。
足に痛みが出てから、はじめて外反母趾に気づくケースも少なくありません。
なぜ外反母趾になると、炎症が起こってしまうのでしょうか?
今回は、外反母趾で炎症が起こる理由や炎症が起こりやすい状態、炎症が起きたときの対処法についてご紹介します。
●軽度の外反母趾であれば炎症が起こらないことも
外反母趾になっても、すぐに炎症が起こるわけではありません。
軽度の外反母趾であれば、炎症も起こりにくいのです。
外反母趾の進行度は、第一中足骨と母趾(親指)基節骨がつくる、「外反母趾角」によって判断されます。
日本整形外科学会の「外反母趾診療ガイドライン2014」によれば、外反母趾角が20°以上を外反母趾としています。
【軽度】 20°~30°
【中等度】 30°~40°
【重度】 40°以上
参考:http://minds4.jcqhc.or.jp/minds/hallux_valgus/hallux_valgus.pdf
軽度の外反母趾では炎症は起こりにくいものの、軽い痛みや違和感がある人もいます。
また、歩くときに指のつけ根を曲げようとすると、痛みがあったり、曲げにくかったりすることもあります。
親指が人差し指の方へ曲がってきた、親指のつけ根に痛みや違和感があるといったときは、外反母趾の可能性があります。
外反母趾は何も対処しないと進行してしまうので、気づいたときに早めに専門家に相談して適切な対策をとるようにしましょう。
●外反母趾の進行が進んで悪化していくと炎症の原因に
軽度のうちは痛みも比較的軽く、炎症も起こりにくいのですが、外反母趾が進行して中等度から重度になると症状も悪化します。
どのような症状があらわれるのでしょうか?
■変形がひどくなる
外反母趾角がさらに大きくなり、親指のつけ根が突出するようになります。
つけ根の出っ張りのせいで靴が合わなくなったり、歩くたびにこすれて痛みが生じたりします。
親指だけでなく、小指が薬指側に曲がる「内反小趾」が起こることも。
重度の外反母趾になると、親指が人差し指の下に入り込んだり、ねじれたりしてしまうことがあります。
■タコができる
外反母趾になると足の裏の横アーチが崩れてしまうため、歩行時に足指のつけ根の部分に衝撃がかかりタコができます。
このタコも痛みを伴う場合が多く見られます。
■足裏のアーチの崩れ
外反母趾の方は、足の裏にあるアーチが崩れていることが多いのです。
縦アーチが崩れると「偏平足」になり、横アーチが崩れると「開帳足」になってしまいます。
足裏アーチは歩行時の衝撃をやわらげ、足への負担を軽減する役割がありますが、これが崩れると足の裏にダイレクトに衝撃がかかるようになり、外反母趾が進行してしまうのです。
重度の外反母趾では、横アーチの崩れからさらに進行して、反り返ってしまう場合もあります。
また、開帳足になると足幅が広くなるため、靴が合わない、靴が入らないなどの悩みも生じやすくなります。
●外反母趾で突き出た部分が靴で擦れて炎症に
外反母趾が進行すると、親指のつけ根の部分が大きく出っ張ってきます。
また、開帳足になり足の幅が広くなると、靴がきつくなり、サイズが合わなくなることがあります。
すると歩くたびにその部分が靴に擦れたり、圧迫されたりするため、炎症が起きてしまうのです。
つまり、外反母趾で炎症が起きるのは、靴による摩擦や圧迫などのストレスを受けることが原因となっています。
外反母趾による炎症のひとつが、「バニオン」です。
バニオンとは、靴による擦れや圧迫によって、親指のつけ根の滑液包に過剰な滑液がたまって起こる炎症のこと。
親指のつけ根の部分に発赤、痛み、腫れなどを引きおこします。
こうなると靴を履くだけでも痛く、歩くのが苦痛になってしまうことも…。
外反母趾の進行や炎症を防ぐには、靴を見直し、正しい歩き方を身につけることが大切です。
足を締め付ける靴や先の細い靴、逆に緩すぎる靴を避け、しっかり足にフィットして足指を動かせるタイプの靴を選びましょう。
炎症が起きてしまった場合は、その部分の摩擦を防ぐパッドのついたサポーターなどを利用するのもひとつの手です。
ただし、それは一時的な対処法でしかないので、早めに専門家に相談しましょう。
●炎症を緩和するために外反母趾専門院のアドバイスをもらおう
では、外反母趾で炎症が起きてしまった場合は、どのように対処したらよいのでしょうか?
炎症が起きて痛みがひどいときは、できるだけ早く外反母趾専門院にみてもらうのが一番です。
まずは、炎症と痛みを緩和してもらう必要があります。
外反母趾用のサポーターを使用している方も多いかと思いますが、サポーターはあくまでも痛みの軽減や炎症を起こした部分の保護の役割をはたしているにすぎません。
外反母趾の根本的な改善にはつながらないので、注意しましょう。
外反母趾専門院では炎症の緩和だけでなく、その人の外反母趾の原因を突き止め、改善を図ります。
その際、歩き方のクセやその改善法、靴やサポーターの選び方などのアドバイスもしてくれます。
いくら専門院で施術を受けて炎症が緩和しても、根本的な原因を解消しない限り外反母趾は改善できません。
きちんと専門家にみてもらい、適切な対処をすることで外反母趾の進行を予防・改善することができるのです。
外反母趾は重症化するほど、改善が難しくなり、時間もかかってしまうので、足の違和感や痛み、軽い変形に気づいた時点で早めに専門家に相談することをおすすめします。
●まとめ:外反母趾の炎症が痛い…なぜ外反母趾で炎症は起こってしまうのか?
外反母趾で炎症が起こりやすいのは、中等度から重度の場合で、軽度であれば炎症が起こらない場合もあります。
外反母趾による炎症は、親指のつけ根の突き出た部分が靴に圧迫されたり、擦れたりするのが原因。
親指のつけ根に「バニオン」ができると、発赤・痛み・腫れなどの症状を伴います。
炎症が起きたときは、早めに外反母趾専門院に相談しましょう。
炎症を緩和すると同時に、歩き方や靴選びなどのアドバイスをもらい、適切に対処することが大切です。