
歩くときに痛いだけでなく、足の親指が曲がってしまう外反母趾。
ひどくなると手術以外に治す方法はないといわれていますが、できれば手術は避けたいですよね。
では、どうすれば親指を正常な位置に戻すことができるのでしょうか?
そこで今回は、外反母趾の症状や改善方法についてご紹介します。
●足の親指がくの字に曲がる外反母趾
足の親指がくの字に曲がってしまう外反母趾は、親指(母趾)が付け根のMTP関節で外側にねじれた状態(外反)になり、指が曲がってしまった状態をいいます。
男性よりも女性の発症率が多く、発症年齢は子供から高齢者までいろいろですが、高齢になるほど発症率が増加する傾向があるといわれています。
外反母趾角(HV角)の角度を測り、9~15度なら正常値、20度未満は軽度の外反母趾、20~40度未満なら中等度、40度以上になると重度の外反母趾と診断します。
参考:http://minds4.jcqhc.or.jp/minds/hallux_valgus/hallux_valgus.pdf
●足の親指の付け根が腫れてしまうことがある外反母趾
足の親指の付け根が腫れてしまうことも、外反母趾でよくみられる症状です。
親指の付け根の関節から足首側に向かってついている第一中足骨が内側に向いてしまうため、付け根の関節で炎症が起こり、関節の内側に「バニオン」と呼ばれる滑液包炎(かつえきほうえん)ができてしまいます。
バニオンは腫れているだけでなく、靴を履いても歩いても痛いのが特徴です。
また、このバニオンができる場所には知覚神経も通っているので、神経が圧迫されてしびれや強い痛みを感じることもあります。
さらに重症化すると、親指がくの字に曲がりながら人差し指や中指の下に潜り込むようになり、関節が脱臼してしまうケースもあるので注意が必要です。
●曲がってしまった親指を正常に戻すためにはどうすれば?
曲がってしまった親指を正常な状態に戻すためにはどうすれば良いのでしょうか?
外反母趾の治療方法には保存療法と手術療法があります。
最初に靴の指導や装具療法、運動療法や薬物療法などの保存療法が行われ、効果がみられず重症化してしまった場合の最終手段が手術療法です。
まずは毎日のように履いている靴を見直します。
外反母趾の方は間違った靴選びをしていることも多いので、靴を見直すことで外反母趾が改善する可能性は十分にあります。
自分の足に合った靴を選ぶことは、症状を悪化させないためにも、痛みを和らげるためにもとても重要です。
曲がった指を正常に戻すためには、外反母趾を招いた可能性のあるものから改善しましょう。
いつもハイヒールを履いていた方は、できればヒールの低い靴に。
足を圧迫するつま先の細い靴や小さめの靴、自分の足の形に合っていない靴を履き続けていると、親指や付け根の関節だけでなく、足裏のアーチを崩すことにつながるので注意しましょう。
ゆとりがある大きめの靴や足への圧迫が少ないサンダルも要注意です。
靴の中で足が動いたり滑ったりしないようにと、指を曲げて踏ん張ってしまい、それが外反母趾の悪化や足以外の不調にもつながることがあります。
靴を選ぶときは足に合っていることはもちろんですが、歩く際に甲やかかとが安定しているかどうかもチェックして選びましょう。
また、靴の中に入れるインソールも有効です。
外反母趾の人は足裏のアーチが崩れていることが多く、インソールを入れることでアーチを矯正することができ、痛みが抑えられるようです。
他には、指の間に挟んで指の曲がりを矯正する装具や、痛みのある関節を保護するパッド、外反母趾を矯正するサポーターなどの装具を使う方法もあります。
薬物療法では消炎鎮痛剤の入った塗り薬や湿布などが使われますが、一時的に痛みを緩和させるものなので、一時しのぎに過ぎません。
足の裏や足の指の筋力が低下することも、外反母趾の原因の一つです。
筋肉が衰えるとアーチが保てなくなり、扁平足や開張足を招きます。
アーチが崩れると外反母趾になりやすくなるため、足の指や足の裏の筋力を鍛える運動療法を行うことで、外反母趾の改善が期待できるのです。
両足の親指を囲むようにゴム紐をかけ、左右に引っ張るHohmann体操が知られていますが、痛みを和らげる効果が期待できるので、試してみると良いでしょう。
また、足の指を広げたり縮めたりするグーパー体操も、母趾外転筋を使うので変形の改善が期待できるといわれています。
これらの保存療法を試しても改善がみられなかったり、症状が悪化したりする場合は、手術で親指を正常な位置に戻すことが検討されます。
外反母趾の術式はたくさんありますが、軽度~中等度の患者さんの場合、体への負担が少ないDELMO(デルモ)法という術式で行うことが多いようです。
●外反母趾専門院に相談してベストな方法をアドバイスしてもらおう
外反母趾の専門院に相談し、ベストな方法をアドバイスしてもらいましょう。
親指が曲がる外反母趾は、強い痛みを伴うと、日常生活にも支障をきたしてしまいます。
保存療法や手術療法はその場しのぎの対処療法です。
改善したかにみえても根本原因が改善されていないため、再発するケースも少なくありません。
しかし、手術などしなくても、根本原因から改善すれば、外反母趾は治る可能性も十分あります。
手術はしたくないという方は、外反母趾の専門院に相談してみてはいかがでしょうか。
何が原因で外反母趾になったのか、その原因から見直していくことで、ベストな方法をアドバイスしてもらえるでしょう。
●まとめ:親指が曲がる外反母趾!親指を正常な位置に戻すためにできる事とは?
親指がくの字に曲がってしまう外反母趾は、付け根の関節が腫れて痛みを伴うことも多く、ひどくなると日常生活にも影響が及びます。
曲がった親指を元に戻すためには、靴を見直したり、インソールを使ってみたり、装具を使ってみたりする保存療法を行い、それでも改善しない場合は手術を行うという考え方が一般的です。
しかし外反母趾は、人によって異なる根本原因にアプローチすることで、手術をせずに改善する可能性が十分にあります。
あなたにとってのベストなアドバイスをもらうためにも、ぜひ一度外反母趾専門院で相談してみましょう。