
「足の親指の付け根が飛び出してきたと思っていたら、最近少し痛みもある」「もしかして外反母趾?」「でも、まだひどくないから、少し様子をみよう」こんな風に外反母趾を甘くみている方は要注意です。
外反母趾は親指の付け根が痛くなり、進行すると親指が小指側に曲がってしまう病気です。
ひどくなると脱臼したり、痛みで歩くことも辛くなったりします。
さらには、膝の痛みにもつながることもあるので注意が必要です。
そこで今回は、外反母趾と膝の痛みの関係について解説します。
●そもそも外反母趾とは?
そもそも外反母趾とはどのようなものなのでしょうか?
外反母趾とは、足の親指が小指側に傾き、変形してしまう足の疾患です。
親指のことを「母趾」といい、小指側に曲がることを「外反」というので、母趾が外反するから「外反母趾」という、文字通りの症状が特徴です。
母趾につながる第1中足骨が内側に広がる「内反」という状態になることで、外反母趾が発症すると考えられています。
内反と同時に、母趾が靴などで圧迫され、母趾内転筋に引っ張られる形となり、親指が曲がってしまうのです。
●外反母趾は膝の痛みに関係する事もある?
外反母趾が膝の痛みに関係することもあるというのは本当なのでしょうか?
膝が痛いという症状のある方の足をみると、外反母趾など足に異常がみられるケースが増えているといいます。
膝の関節にある軟骨がすり減り、膝に痛みがでる「変形性膝関節症」の患者さんにも、外反母趾の症状がみられるケースが増えているのだそうです。
このことからも、外反母趾と膝痛は関係していると考えるのが自然です。
人間は立っているとき、全体重を足で支えています。
足は家でいうところの基礎。
基礎に歪みやトラブルがあると、少しの衝撃でも家はダメージを受けてしまいますよね。
人間の体も同じです。足に歪みやトラブルを抱えていると、体に影響が出ても不思議ではありません。
特に足の衝撃が伝わりやすい膝は、ダメージを受けやすいところ。
足で吸収できなかった衝撃を膝の関節で受けてしまうため、膝が痛くなってしまうこともあるのです。
●なぜ、外反母趾は膝の痛みにつながる事があるのか?
外反母趾がなぜ膝の痛みにつながってしまうのでしょうか?
歩いたり走ったりするとき、人間は左右の足を交互に動かし、体重を上手く移動させながらバランスを保っています。
しかし、外反母趾などで足に痛みがある場合はどうでしょう。
痛みのある方の足を無意識にかばってしまうため、足のバランスが崩れます。
足のバランスが崩れると、他の部分でバランスを保とうとするため、膝や腰などに必要以上の負担がかかり、それが痛みにつながってしまうのです。
また、外反母趾になると、痛みや指の変形がある方の足で体重をしっかり支えることができなくなるため、かかとの骨が内側や外側に傾いてしまうことがあります。
かかとが傾くことでアーチが崩れると、扁平足になったり開張足になったりします。
これもまた、外反母趾の症状を悪化させる要因です。
逆に、姿勢や歩き方の癖からかかとの骨が傾き、それが外反母趾を招くケースもあります。
かかとの傾きが外反母趾を招くケースもあれば、外反母趾がかかとの傾きを招くケースもあるので、新たな異常が生じる前に対策をすることが大切です。
そして、かかとの骨の傾きによって起こるのが、ねじれです。
ねじれたままでは上手く歩けないため、かかとの傾きによって起こるバランスの崩れを、膝で調整しようとします。
これにより膝への負担が大きくなり、その結果、膝に痛みが生じてしまうのです。
●外反母趾の放置は足の痛みだけでなく膝の痛みに繋がるので早期改善!
外反母趾を放置すると、足の痛みだけではなく膝の痛みにつながってしまうこともあるので、できるだけ早期に改善するようにしましょう。
合わない靴やハイヒールを履いていたことだけが、外反母趾の原因ではありません。
ほんのわずかな体の歪みやバランスの崩れも、長年積み重なれば大きなストレスになります。
そのストレスが足の親指の付け根の関節にかかり続け、親指がくの字に曲がってしまうのが外反母趾です。
しかし、外反母趾は初期の段階から強い痛みや指の変形があるわけではなく、ストレスがかかり続けることによって痛みが強くなり、変形が進みます。
まだ痛くないから、まだ指の曲がり方が強くないから…
と放置してしまうと、足の痛みだけでは済まなくなり、膝の痛みにもつながってしまう可能性があるので注意しましょう。
さらに重度になると、体のさまざまな場所に痛みや不調をきたしてしまうこともあるので、外反母趾を甘くみないことが大切です。
早期の段階で専門家に相談し、根本原因から改善するようにしましょう。
●まとめ:外反母趾は膝の痛みに繋がることもある!?外反母趾を甘く見ない事!
外反母趾は足の痛みや親指が変形する足の病気ですが、体のバランスも崩れてしまうことが大きな問題です。
足の痛みによる体の歪みやねじれが、膝に必要以上のストレスをかけてしまい、膝痛や変形性膝関節症になるケースもあるようです。
さらに股関節や腰、脊椎や腰椎にも影響が及ぶこともあるので、ひどくなる前に改善することがとても大切です。
外反母趾は足の病気だからと甘くみず、体のさまざまな場所に痛みや不調を引き起こす可能性があることを知っておきましょう。
そして、痛みや不調を最小限にとどめるためにも、早めに専門家に相談するようにしましょう。