
「外反母趾になると土踏まずがなくなる」、または「土踏まずがないと外反母趾になりやすい」などと聞いたことはありませんか?
ほとんどの方が外反母趾と土踏まずが無関係ではないとの認識を持っています。
しかし、詳しくどんな関係があるかについて知っている人はあまりいません。
外反母趾と土踏まずのあいだの関係は、どんなものになっているのでしょうか?
どこの部分が土踏まずなのかという基本的なことから外反母趾との関係、偏平足の予防方法について、詳しく解説します。
●そもそも土踏まずはどこの部分の事?
足の裏のくぼんだ部分を土踏まずと言います。
下から足の裏から見ると、内側の中央部分が上に盛り上がった形になっています。
この地面につかない部分が、土踏まずで、足形を取るとインクが付かず、紙の色がそのまま残ります。
土踏まずは生まれたときからあるものではなく、赤ちゃんから子ども、そして大人になるまでの成長過程において、歩くことによって形成されます。
きちんと形成された土踏まずはボールペンが入る程度、くぼんでいます。
●土踏まずがつぶれてしまう扁平足について
偏平足は足の裏にあるはずの土踏まずがないというのは、足の異常の1つです。
足の裏全体が地面に付いてしまい、ペタペタとした歩き方になります。
上手く足の裏が使えずに疲れやすくなり、長い距離や時間の歩行ができなくなります。
では土踏まずがない偏平足はどのように生じるのでしょうか?
まず考えられるのが、成長過程で土踏まずがきちんと形成されなかったケースです。
土踏まずは成長過程での歩行によって形成されますが、生活の変化により形成時期は遅くなっています。
また昔と比べて歩く機会が減っていること、裸足で過ごさないようになってきていることも、健全な土踏まずの形成を妨げています。
土踏まずがきちんと形成されないまま大人になり、偏平足になります。
もう1つのケースは、一度はきちんと土踏まずが形成されたものの、つぶれてなくなって偏平足になる場合です。
土踏まずがつぶれて失われる原因には、いろいろなことが考えられます。
まず、一般的に考えられる原因は運動不足と体重増加。
運動不足によって足指の筋肉が衰えたり、体重増加によって大きくなった負荷に耐えられなくなったりして土踏まずがつぶれて失われ、偏平足になります。
●偏平足の場合外反母趾になりやすい?
偏平足になると足裏が上手く使えないようになり、正しい歩き方ができなくなります。
土踏まずがつぶれて失すると言うことは、足裏のアーチが崩れると言うこと。
足裏には3本のアーチがあり、足にかかる負担を分散したり衝撃を吸収したりする働きをしながら正常な歩行ができるようにしています。
偏平足になって土踏まずがつぶれて失われるとアーチが崩れ、足裏の機能が損なわれるため、疲れやすくなり、長時間や長距離の歩行が困難になり、日常生活に支障が出る場合もあります。
また、偏平足は外反母趾の原因にもなるので、注意が必要です。
土踏まずがある場合、足裏にかかる力は面全体へと分散されます。
しかし、土踏まずがない偏平足の場合は、力がかかる部分が内側に集中してしまいます。
足親指へ大きな負荷がかかるようになり、また過度の負担を軽減しようと足親指先が外側を向くようになり、外反母趾になります。
さらに、外反母趾は内側にかかる力を増し、土踏まずをつぶして偏平足を悪化させます。
外反母趾と偏平足がどちらも重症化させあうという悪循環が生まれます。
●足指の筋肉を鍛えて偏平足や外反母趾を予防しよう
外反母趾、外反母趾と切っても切れない関係にある偏平足は、足指の筋肉を鍛えることで予防が可能です。
足指の筋肉を鍛えると、かかる力の分散が上手にできるようになるためです。
内側だけに負荷が集中するのを防いで、足親指に無理な力が加わったり、体を支えきれずに土踏まずがつぶれて失われたりするのを防止することができます。
足指の筋肉を鍛えるには、タオルを使った運動が効果的。
タオルを足指でつかんでは離すという動きをすることで、足指の筋肉が鍛えられます。
椅子に座ってその前の床にタオルを置き、足指でつかむ・離すを繰り返しましょう。
この運動は「タオルギャザー」と言って、外反母趾の予防・改善に効果的な、有名な運動です。
やり方は簡単で、家にあるものでできるので気軽に始めることができます。慣れてきたらタオルの向こう側にペットボトルなどの重しを置いて行うと、さらに足指の筋肉を鍛えることが可能です。
ぜひ実践してみて下さいね。
●まとめ:土踏まずと外反母趾の関係について解説!そもそも土踏まずってどこの部分なの?
土踏まずは足の裏のくぼんだ部分、上に盛り上がっていて地面に接していない部分のことを指しています。
土踏まずのない足が、ペタペタとした歩き方になる偏平足。
足裏が正しく使えないため疲れやすく、長時間や長距離の歩行ができにくくなります。
偏平足は外反母趾の原因になり、また外反母趾は偏平足を悪化させ、さらに外反母趾をひどくするという悪循環を生み出す可能性が。
足の健康維持のため、足指の筋肉を鍛えて外反母趾や偏平足を予防しましょう。