靴を履くと親指の付け根が当たって痛く、歩くのもつらい。
こんな症状がある場合、外反母趾が疑われますが、同じような痛みを小指側に感じた時は、内反小趾になっているかもしれません。
どちらも足のトラブルですが、違いは何なのか。併発することがあるのか。
それらの疑問にお答えいたします。
●外反母趾とは
外反母趾とは、足の親指の先が曲がり、付け根の関節が突き出した状態をいいます。
この曲がった角度が、15度以上で外反母趾と認められます。
角度の度合いによって、「軽度」、「中等度」、「重度」と判定されます。
突き出した付け根が靴を履いた時に当たるので、そこが炎症を起こし、痛みが発症します。この痛みが問題で、突き出した箇所を押すと痛む程度、もしくは、靴を履いた時に痛む場合は、靴の選び方や、運動療法、装具療法などで治療を進めますが、常に痛みがある場合は、手術が必要と言われています。
なぜ、外反母趾が起きるのか。原因は、諸説ありますが、中でも靴を履くことが一番の要因と言われています。
もともと靴を履く歴史の長い欧米人に多い病気でしたが、近年では、日本でも急速に増えており、特にヒールの高い靴は、足指側に負荷がかかり、変形の原因になるので、避けた方が無難です。
また、生まれつきの足の形も影響しています。
母指が人差し指より長い場合や扁平足気味であると外反母趾になりやすいようです。
そのほか、肥満や筋力低下なども原因と言われています。
外反母趾は、軽度の段階で治療することが肝心です。
具体的には、
1. 足に合った靴を選ぶ。
足の縦の長さと横の長さに合ったもので、フィットするもの。
2. 足のストレッチを行う。
足の指でグー·チョキ·パーを作る体操や床に置いたタオルを足指で引き寄せ運動をする。
3. 外反母趾専用の装具などを用いる。
外反母趾は、悪化すると痛みで歩くことも難しくなります。
そのため、骨盤や背骨、肩など体のゆがみにも発展する可能性がありますので、初期の段階で、上記のような対策に取り組みましょう。
●内反小趾とは
内反小趾は、外反母趾と同じく足の疾患ですが、小指の付け根がでっぱり、靴に圧迫されて、炎症を起こしている状態を指します。
主な原因は、足のアーチのつぶれと言われています。
健康な足には、縦のアーチと横のアーチがあり、地面からの衝撃を吸収するクッションのような働きや前に進む力をサポートする働きがありますが、このアーチが崩れて、扁平足になると足幅が広がり、小指の付け根が靴に当たり、これが内反小趾です。
治療は、靴の調整や足のアーチをサポートする装具を用い、アーチの矯正を試みることが一般的です。
重度の場合は手術の可能性もありますが、アーチの矯正で、ほとんどが改善されると言われています。
●外反母趾と内反小趾は併発することも
外反母趾と内反小趾は併発することもあります。いずれも、発症の要因のひとつに足裏のアーチの崩れ(扁平足)があるからです。
どちらも、靴を履いてなくても常に痛みがあるほど悪化した場合は、手術することになりますので、早めに対策しましょう。
●外反母趾·内反小趾の方がやってはいけない事とは?
外反母趾や内反小趾に悩んでいる場合、まずは、自分の靴が足に合っているかどうかをチェックしましょう。
足のサイズ(長さ)はもちろん、横の長さも測り、フィット感も重視しましょう。
足先に少し余裕があるデザインが最適です。
反対に、避けた方がいいのは、パンプスなどヒールの高い靴。
ヒールが高ければ高いほど、足先に負担がかかり、足のトラブルを悪化させる要因となります。
今は、ヒールの低い靴でもおしゃれなデザインのものが多くあるので、足の健康を優先した靴選びをしましょう。
●まとめ:外反母趾と内反小趾の違いについて!併発することもある!?
成人の3割が悩んでいると言われる外反母趾は、足の親指の付け根が靴にこすれて炎症が起こる足のトラブルです。
親指が人差し指側に大きく曲がっているのが特徴です。
また、足の小指の付け根が突き出て、靴との摩擦で炎症を起こしたものを内反小趾といいます。
外反母趾と内反小趾の違いは、親指と小指の違いで、発症の要因はいずれも「靴を履くこと」「扁平足であること」「肥満」「筋力低下」などが挙げられます。発症の要因が重なることから、外反母趾を発症した方は、内反小趾を併発することもあります。
改善策は、
1. 足に合った靴を選ぶ。
足の長さや幅をきちんと計測して、サイズを合わせる。足先にゆとりがあり、フィットするもの。
2. 足のストレッチを行う。
足指でグー·チョキ·パーを作る運動や床に置いたタオルを足指で引き寄せる運動を習慣にする。
3. 外反母趾や内反小趾を改善する装具を用いる。
など。
いずれも、靴を脱いでいても痛みが伴い、歩行が困難になると手術することになりますので、軽症のうちに対策をとることが肝要です。